2009 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦初期における米国核政策と被爆者・ヒバクシャ情報
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20520648
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高橋 博子 Hiroshima City University, 付置研究所, 講師 (00364117)
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Keywords | 西洋史 / 日本史 / 政治学 / 残留放射線 / 病理学 / 核実験 / 被爆者 / ABCC |
Research Abstract |
本研究の目的は広島・長崎で収集された被爆資料が、米国政府によって冷戦政策の中でどのように利用され、いかなる核時代が作られていったのかを、近年公開された資料や広島・長崎の被爆者や核実験によるヒバクシャの証言の分析によって浮き彫りにすることである。今年度は、原爆・核実験の放射線の影響についての情報がどのように米国政府によって統制され、また公開されてきたのかを、日本占領期、占領終了直後、ビキニ水爆被災以降に分けて裏付けてゆくため、関連映像・写真・書籍を収集した。またそうした情報統制の中、核兵器・被爆者・ヒバクシャ情報、とりわけ放射線の人体への影響に関する情報や放射性降下物に関する情報がアメリカの冷戦文化の中にどのように反映されていったのか、主に1950年代に製作された映画や文学作品を中心に検討した。収集された被爆者・ヒバクシャの実相を示す情報と、フィクションの中で描かれた核戦争のイメージとが具体的にどのような開きがあるのかについて、2009年度に実施された第3回ヒロシマ平和映画祭と連携して、検討・議論を行った。 また、米国立公文書館・米科学アカデミー文書館・米軍病理学研究所で収集した米原子力委員会や原爆傷害調査委員会関連文書・写真の一部をPDFファイル化し、分析しやすい状態にした。 さらに日本科学史学会の欧文誌に拙稿"One Minute after the Detonation of the Atomic Bomb : The Erased Effects of Residual Radiation" (Special Issue Beyond Differences : International Comparison on Nuclear Histories in Japan, Korea, and the United States),"が掲載された。
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Research Products
(1 results)