2009 Fiscal Year Annual Research Report
日向・畿内両地域間における埴輪工人・工人集団の移動からみた埴輪生産組織の研究
Project/Area Number |
20520668
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
犬木 努 Otani Womens University, 文学部, 教授 (40270417)
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Keywords | 考古学 / 古墳時代 / 埴輪生産 / 手工業生産 / 円筒埴輪 / 形象埴輪 / 同工品 / 西都原古墳群 |
Research Abstract |
本年度は、20年度に引き続き、各機関に所蔵されている西都原古墳群出土埴輪の調査・研究を継続した。なかでも、本研究課題の中心をなす宮崎県立西都原考古博物館所蔵西都原171号墳出土埴輪の調査研究は順調に進捗し、円筒埴輪の大部分については実測を終了したところである。また、宮内庁書陵部所蔵の女狭穂塚古墳出土埴輪についても、20年度に引き続き実測調査を行っている。円筒埴輪の実測はほぼ終了し、形象埴輪についても実測を開始したところである。 また、大阪大谷大学において以前から行っている西都原169号墳・170号墳出土埴輪の調査・研究については、報告書作成作業という形で継続した。とくに、一部未調査であった埴輪についても補足的に実測・撮影・拓本作業を行い、両古墳出土遺物の調査成果については、22年3月に『西都原II169号墳・170号墳発掘調査報告(遺物編)』として刊行することができた。その過程で、東京国立博物館および京都大学総合博物館に所蔵されている「大正調査」出土埴輪と、大阪大谷大学・宮崎県教育委員会が実施した「平成調査」出土埴輪との間に、破片どうしの接合関係がかなりの点数にわたって確認され、一部未確定であった出土古墳についてもかなり明瞭に確定することとなった。 この他、宮内庁書陵部および京都大学総合博物館に所蔵されている「大正調査」時の調査風景写真についても検討作業を行い、それぞれの写真に写っている古墳名称やトレンチ名の再検討を行うとともに、大正調査の報告書掲載写真との異同についても再検討を行った。 以上のように、本年度においては、西都原169号墳・170号墳出土埴輪については、『遺物編』の刊行により、基礎資料(図面・拓本・写真)を提示することができ、帰属古墳の確定作業も大きな進展を見せた。また171号墳出土埴輪についても、宮崎県所蔵埴輪については円筒埴輪の実測調査の大半が終了し、22年度は形象埴輪の図化作業を行う予定である。さらに京都大学所蔵埴輪や宮内庁書陵部所蔵埴輪についても実測調査は順調に進展している。
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