2008 Fiscal Year Annual Research Report
近・現代における八重山-台湾間の双方向的な人の移動と地域の変容
Project/Area Number |
20520696
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
水田 憲志 Kansai University, 付置研究所, 研究員 (90469239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
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Keywords | 八重山 / 台湾 / 石垣島 / 西表島 / 移民 / 植民地 / 生活史 / 引揚 |
Research Abstract |
2008年度は研究メンバー各自が現地調査と資料収集を進め,以下の成果を得た。 研究代表者の水田憲志は,台湾移民史研究を専門とする卞鳳奎氏(国立台湾海洋大学助理教授)とともに沖縄(那覇およびその周辺)と八重山(石垣島)で資料収集と聴き取りを中心とした調査を実施し,戦後初期の石垣島における台湾人の定着過程や,戦前に台湾から石垣島へもたらされた水牛とパイナップルが戦後に普及する過程についての証言や資料を得た。 研究協力者の松田良孝(八重山毎日新聞社)は台湾および与那国島で現地調査を実施し,太平洋戦争終結直後の南方澳に残留していた沖縄出身者の様相を把握するうえで有益な証言を得た。インタビューの対象者は19人を数えた。また,日本統治下の南方澳に関する文献資料を収集した。 研究協力者の松田ヒロ子(台湾中央研究院台湾史研究所博士後研究員)は,戦前の八重山から植民地下台湾への出稼ぎ・移民について,インフォーマントにフォローアップと追加のインタビューを実施した。また,戦後の台湾から沖縄への引揚げに関する基礎資料を収集した。 これらの現地調査を踏まえ,研究分担者の野入直美を中心に,石垣島と台湾との双方向的な人の移動についての研究成果を,石垣島の地域社会に還元できるように刊行するための準備作業を行った。石垣島における台湾人と地元住民との相互理解を深め,よりよい関係につなげていくために,(1)地域の中学校・高校で用いられる副教材,(2)修学旅行生や郷土史に関心を持つ観光客のための観光ガイド,(3)地域における生涯学習のためのテキストとして用いることが可能な刊行物の企画を行った。
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Research Products
(4 results)