• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2010 Fiscal Year Annual Research Report

イベリア半島におけるブタ飼養と地域ブランドとしての「イベリコ豚」の形成過程

Research Project

Project/Area Number 20520723
Research InstitutionNational Museum of Ethnology

Principal Investigator

野林 厚志  国立民族学博物館, 研究戦略センター, 准教授 (10290925)

Keywordsイベリコ豚 / 地域ブランド / スペイン / 畜産業 / 家畜品種 / 地域文化
Research Abstract

本年度は研究計画にしたがい、スペインにおける野外調査を実施した。具体的には、イベリコ豚を用いた代表的な加工食品であるハム製造に関わる、企業、品質管理協会、ブタの放牧農家、地域の博物館関係者に対する聞き取り調査ならびにブタ飼養の観察調査を行った。調査地は前年度のギフエロ地域と比較対象する基礎的なデータを収集することをねらいとし、エストレマドゥーラ地域を中心にした調査を行った。
エストレマドゥーラ地域のイベリコ豚のブランド化の過程はギフエロ地域もしくはフエルバ地域におけるものとは異なる要素を有することが現地の調査によって示唆された。すなわち、ギフエロやフエルバでは資本力がある比較的大きなハム製造業者の企業化が一部で進んだ結果、品質管理協会の認定を受けない自社ブランドの製品を流通させているケースが見られたのに対し、エストレマドゥーラは基本的に品質管理協会と製造業者との関係が保たれた製品生産ならびに販売が行われていた。これは、製品の流通という観点から考えた場合には必ずしもエストレマドゥーラ地域の産出する製品が国内ならびに国外における競争力を十分には持ちえていないことにもつながっている可能性がある。すなわち、大企業化した場合には独自の集約的な経営戦略等を採用した展開が可能となるのに対して、中小企業が連携したかたちにおいては各企業のバランスがとられる必要もあり、製品の流通も周辺地域の地縁関係が委ねられる場合も少なくない。一方で、当該地域はDehesaとよばれる地中海性森林を活用したエコツーリズムとイベリコ豚とを組み込んだ観光開発が模索されているのも新たに得られた知見であった。地域ごとに博物館施設が建設されており、観光誘致の要素とすると同時に、伝統的なブタ飼養の資料等の保存が試みられていた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011 2010

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] The current situation of Iberian pig and its ham in Japan.2010

    • Author(s)
      Atsushi Nobayashi
    • Organizer
      La Junta de un cocedero de altramuces.
    • Place of Presentation
      La casa de la cultura de Monesterio, Monesterio
    • Year and Date
      2010-11-12
  • [Book] グローバリゼーションと<生きる世界>一生業からみた人類学的現在(松井健、名和克郎、野林厚志編)2011

    • Author(s)
      野林厚志
    • Total Pages
      167-207
    • Publisher
      昭和堂

URL: 

Published: 2012-07-19  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi