2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520727
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Research Institution | Gangoji Research Institute of Archaeology, Cultural Anthropology, and Conservation Science |
Principal Investigator |
高橋 平明 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 総括研究員 (60261210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 治 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 技師 (30311492)
山田 卓司 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30435903)
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Keywords | 庶民信仰 / 那智参詣曼荼羅 / 熊野観心十界図 / 立山曼荼羅 / 絵解き / iPalletNexus / 蛍光X線分析 / 赤外線撮影 |
Research Abstract |
本研究の対象は、中・近世期の庶民により信仰された那智参詣曼荼羅・熊野観心十界図・立山曼荼羅である。これらには制作年代の判然とするものがなく、一幅中に多数の画像が輻輳して盛り込まれるため、その享受・理解には絵解きに拠るという共通する特徴がある。 これまでの研究は、主として国文学や歴史学の分野からなされていたが、今回は以下の自然科学的・実証的な研究手法による成果を総合的に考察することで、諸本の系統・制作年代・技法・作者・制作地などの改名を目指すものである。 第一の方法は、画像とそれに対応した文字記述との関連付けが可能なソフトウェアiPalletNexusにより、部分画像のデジタルデータベース化を図り、諸本画像の同異を比較・分析する。 第二の方法として、従来は注意されなかった本紙や料紙一紙の寸法と本紙紙継ぎ形式および折れ仕立寸法などの基礎的なデータを採取して比較検討し、蛍光X線分析装置を用いた顔料成分の同定・赤外線撮影など自然科学的な手法をも動員して、資料に即した実証的研究をおこなう。 最終年度となる本年は、新出となる愛知県岡崎市福聚寺の観心十界図と、同市明星院本の那智参詣曼荼羅図を対象とし、立山曼荼羅は愛知県最勝寺本を調査した。 さらに本年までに収集した各本データの整理をおこない、特に過去のフィルム画像データをデジタル化してデータベース構築に向けた基礎的な作業をおこなった。
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