2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530029
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡田 正則 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (40203997)
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Keywords | 国家賠償法 / 国家無答責 / 公権力の行使 / 訴願法 / 行政裁判法 / 事実行為 / 行政不服審査法 / 行政事件訴訟法 |
Research Abstract |
本研究は、日本における行政救済制度(行政事件訴訟および国家賠償訴訟・損失補償訴訟)の形成過程の通史を比較法制史の視角からまとめること、を目的としている。2010年度は、(1)2010年度日本公法学会での総会報告を中心に、歴史研究の基本的な視点と方法論の検討を深めるとともに、(2)日本における行政争訟法制と国家賠償法制の全体をまとめることを、「研究実施計画」として掲げた。 (1)については、昨年10月9日に上智大学で開催された同学会の総会において「公法学における歴史研究の意義-近代的な「時間」の観念と立憲主義・法治国家-」として報告した。1960年代以降の日本公法学における歴史研究を俯瞰するとともに、その研究方法のあり方について「4つの48年」という視角から、立憲主義と法治国家論を題材として意義と今後の課題を考察した。その成果は、本年秋に刊行される学会誌『公法研究』73号に同名の論文として公表される。 (2)については、国家賠償関係の約150件の大審院判例の分析を行い、解説付の関連判例一覧(データ・ファイル)を作成した。これは、日本の行政救済制度に関する基礎的な研究資料となるものであり、法制史分野の研究資料としても重要であると考えている。また、以前の研究である「明治憲法体制確立期における国の不法行為責任(1-5・完)」を抜本的に補訂するとともに、その前史と国家賠償法の制定史を加えることによって、国家賠償法制に関する通史的研究をまとめつつあり、一冊の著作として公刊することを現在準備中である(上記の関連判例一覧も同書に掲載する予定である)。
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Research Products
(3 results)