2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会と事業承継―法制度の横断的検討、特にドイツ法との対比で―
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20530063
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
大塚 龍児 Hokkai-Gakuen University, 法務研究科, 教授 (30009815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 正則 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70190105)
山本 哲生 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80230572)
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Keywords | 生前処分 / 死後処分 / 共同相続と債権の帰属 / 遺留分権利者 / 相続債権者 / 保険金請求権 / 予防法学 / ドイツ相続法の改正 |
Research Abstract |
本年は、当初の計画どおり、ドイツにおける生前処分、死後処分の関係を検討した。その重点は、先取りした相続(vorweggenommene Erbfolge)といわれる公証実務の発展させた予防法学的な措置である。その重点は、条件の付された生前の財産の譲渡と終身定期金などの結合、及び、譲受人以外の譲歩相続人(weichende Erbe)に対する補償措置と遺留分の放棄の合意である。本年は、以上の先取りした相続を遺留分補充請求権との関係で、生前行為と死後処分の区別という観点から検討した。 今ひとつは、生前処分による将来の遺産の譲渡という点で重要な生命保険契約について検討した。特に、ドイツは2007年に保険契約法を改正した。以上の改正との関係、及び、遺産承継の手段という意味で、フランクフルト大学のヴァント(Manfred Wandt)教授には研究に関する情報提供を依頼し、その過程で、同教授の著書、Versicherungsrecht, 4. Aufl., Heymann, 2009の翻訳を行う合意を行った。現在翻訳作業中であるが、同教授は法改正後の(裁)判例を考慮して早急に改訂を行う予定であり、ヴァント教授の希望で、翻訳の出版は5版で行うこととしている。 さらに、2009年9月にドイツの連邦議会を相続法の改正案が通過し、2010年1月から施行されている。昨年度は、従来から行っていた立法過程の追跡とともに、新規定の検討、及び、以上の規定の事業承継への影響を検討した。この点については、本年も検討を継続する予定である。 さらに、最終年度の研究の纏めのための事業承継のための法的措置と関連して問題になる事項、特に、制度横断的な問題点の整理と点検を開始した。
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Research Products
(17 results)