Research Abstract |
まず,EU4ヵ国(ドイツ、フランス、イギリス、イタリア)とEU10(チェコ、ハンガリー、ポーランドなど)の貿易構造に焦点を当て,EU域内と域外のの中間財(部品や素材),資本財,消費財,乗用車といった用途別貿易構造を分析した。 次に,昨年度行ったアジア地域の貿易構造と比較して,ヨーロッパの中東東欧諸国の貿易構造が,対外依存よりも帯域内依存が高いことが検証された。とりわけ,最終財の貿易は,対外依存度が低くいことが明らかとなった。ここに,アジア地域とヨーロッパの紡機構造の相違が見られる。また,中国のアメリカおよびヨーロッパへの最終財輸出が拡大し,アジアの他の国の最終財シェアが減少していることから,アジア域内の生産ネットワークワーク構造の変化が,貿易構造より類推することが可能となった。 続いて,世界主要国の部品貿易,資本財貿易を顕示比較優位のデータを作成した。ここでは,アジア地域とヨーロッパ地域との生産システムの相違として,前者が電機・機械をベースにしたシステムが発展し,後者では自動車の生産システムが確立していることが明らかとなったとが。その結果とRugman and Verbeke(2002)の研究を対比させて考察した。 加えて,世界経済の最終需要構造の変化が,貿易ネットワークや企業関係の階層関係の変化を引き起こす可能性を,事例を挙げて,提示した。
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