2009 Fiscal Year Annual Research Report
スピンオフ連鎖ベースの新産業集積形成に関する地域間比較研究
Project/Area Number |
20530213
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
長山 宗広 Komazawa University, 経済学部, 准教授 (80453562)
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Keywords | スピンオフ / ソフトウェア / 産業集積 / 北京中関村 / 浜松 / 札幌 |
Research Abstract |
本研究は、スピンオフ企業家の集中的発生(スピンオフ連鎖)、新産業集積の形成メカニズムについて、「業種別比較研究」「地域間比較研究」を通じて実証的に解明することを目的とする。 今年度(平成21年度)は、海外と国内における新産業集積の地域間比較研究を行った。具体的には、北京中関村地域(海外)と浜松・札幌地域(国内)のソフトウェア集積(新産業集積)を事例研究の対象にして、その実態を比較分析した。研究の方法は、(1)地域の社会文化・支援制度、(2)産業構造(市場・技術)、(3)母体組織、(4)スピンオフ企業家(学習者)の4つの視点から、北京中関村地域と浜松・札幌地域のソフトウェア集積におけるスピンオフ連鎖の実態を分析した。中でも、(4)スピンオフ企業家(学習者)の視点からの分析には注力し、北京中関村地域におけるスピンオフ企業家のライフヒストリーに関する丹念なインタビューを行った。 当初研究計画のとおり、今年度は、海外の新産業集積の形成プロセス、スピンオフ連鎖の実態調査を中心に取り組んだ。北京中関村地域に関する先行研究は相当な蓄積があるが、本研究のような視点から実態調査したものは見当たらない。調査途上の現時点においても、本研究でつかんだ「中関村のスピンオフ連鎖」のファクトには新規性があるといえるだろう。 来年度は、「北京民営実業者協会」とのパイプを活かしてアンケート調査を実施し、中関村のスピンオフ連鎖の全貌を解明したい。ひいては、「業種別比較」と「地域間比較研究」を行い、より普遍的な新産業集積形成メカニズムを提示していけるよう鋭意努力したい。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
長山宗広(吉田敬一・井内尚樹編)
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Journal Title
4章「新しい産業集積の形成と地域振興」(『地域振興と中小企業』)(ミネルヴァ書房)
Pages: 119-150(273)
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