2010 Fiscal Year Annual Research Report
労働やジェンダー関係が人口に及ぼす影響-特に働き方、雇用の多様化を中心に
Project/Area Number |
20530224
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
藤野 敦子 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (50387990)
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Keywords | ジェンダー / 非正規雇用 / 家族形成 |
Research Abstract |
2010年2月、フランス人労働者男女に対し、Web上で実施した「フランス人の仕事と家庭に関するアンケート」に続き、2010年5月、6月にフランス・パリにて、11名の非正規社員にインタビュー調査を実施することができた。さらに2010年12月には日本の正社員男女に対し、Web上で「日本の有給休暇に関するアンケート調査」を実施した。これらの分析結果、及び2008年に実施した日本の労働者5000人に実施したアンケート結果すべてを併せ、2011年3月12日、財団法人兵庫勤労福祉センター主催の下で開催された『外の目 内の目 日本の非正規』と題するシンポジウムの基調講演(招待講演)にて報告することができた。雇用形態の選択や働き方が家族の形成や家族の生活に大きな影響を与える日本に対し、それらが全く影響を与えないフランスについての分析結果を紹介するとともに、その背後にあるフランスの雇用制度や労働者の権利などに注目、さらに日本の雇用制度がジェンダー問題と深く結びついていることなど説明を加えた。このように、フランスで実施した一連の調査と日仏比較の結果がシンポジウムにおいて公表されることによって、3年間の研究の総括ができたと考えられる。今後も、これらの研究調査結果は、二つの学会(国内、国外)において報告するとともに、研究論文雑誌に投稿することによって公表されることになる。また、途上国の労働、人口問題に関しても同時に研究してきた。この研究では、「日本の児童労働」を歴史的に概観することによって、その経済メカニズムをとらえてきたが、2011年3月にアジア経済研究所調査研究報告書に研究成果を発表することができた。この3年間の研究調査によって、先進国、途上国の双方における働き方と人口問題について、特にジェンダーの側面から一定の研究成果を得ることができたと言える。
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Research Products
(2 results)