2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20530232
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| Research Institution | Yokohama National University |
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Principal Investigator |
鳥居 昭夫 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (40164066)
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| Keywords | 経済政策 / 原子力エネルギー |
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| Research Abstract |
本研究は、電力産業に一般的にみられる下請制の影響を抽出・評価すること、さらに、電力産業における品質・サービス水準を維持するための産業組織のあり方を論じることを目的としている。この研究の成果を用いて、電力産業を中心とした公益事業において、提供される品質・サービス水準は、運用を実現する主体の産業組織にも依存するという仮説が論じられる。
本年度は研究の最終年度であり、初年度および次年度に構築し検証した理論モデルを、動学的設定の下で展開することが主な作業内容であった。特に原子力エネルギー生産の場合の品質とは、安全性と並んで適切な技術進歩を実現しているかどうかが大きな要因となるからである。モデルを動学的に展開していく中で、下請事業者におけるmulti-task agentとしての特性が重要であることが認識された。通常、静学的な設定の下でmulti-taskとなる課業を委託する場合、agentにおいて一定の非効率が発生すると考えられている。本研究では、一定の条件の下では、あえてmulti-taskの状況で委託を行うことに有効性があることが示された。おおむね、静学的状況の下での定性的性質は動学的な設定の下でも維持されるが、課業間の相関のあり方によって、下請委託を行うことの有効性は大きく変動することがシミュレーションによって示されている。原子力エネルギー利用に即して考えると、この分野においては安全性を維持することは大きな課題であるが、技術開発を含めた課業の配分の仕方に、その成果が大きく依存することが示されている。
なお、第2年度で得られた成果のうち理論モデルを中心とする部分については、'The condition for Japan's subcontracting system to work'と題する稿にまとめ、別記の通り報告した。現在、この部分については学術雑誌に投稿準備中である。
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