2010 Fiscal Year Annual Research Report
産業内貿易に基づく持続的発展可能な日本の産業構造構築と産業調整コストの研究
Project/Area Number |
20530251
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
小柴 徹修 東北学院大学, 経済学部, 教授 (20048812)
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Keywords | 持続的発展可能な産業構造 / 産業構造転換 / 産業内貿易 / 産業調整コスト / 生産誘発効果 |
Research Abstract |
平成22年度に実施した研究内容を当該年度の「研究目的」及び「研究実施計画」に照らし、以下で記述する。 【研究の目的】 持続的発展可能な日本の産業構造の構築には、必然的に産業構造の転換が伴うが、本研究の目的は、その場合どのような産業構造への転換なのか、及び構造転換は産業調整コストをどれだけ発生させるのかについて、日本の貿易構造、つまり増加傾向にある産業内貿易が産業間貿易との比較で計測する。 【研究実施計画】 本年度の研究は当初計画した以下の点について実施した。 (1) 第2次世界大戦以降、とりわけ1950年代から今日(2000年代)に至る日本の産業構造変化の特徴を産業別にGDP、雇用、及び生産性の変化によって観察した。同時に、構造変化の過程で経済活動の産業間でのつながりをどのように変えたかを1985-90-95-2000-05の接続産業連関表により投入・産出面から分析した。 (2) 上記(1)との関連で日本の貿易が産業調整にどのような効果や調整コスト(犠牲)を与えたのかを1998年から2007年までの間に関して産業内貿易と産業間貿易についてそれぞれ計測した。 (3) 主な分析結果はつぎの3点である。(1)ほぼすべての産業で生産の拡大・波及効果は外需(貿易)の方が内需よりも大きい。(2)第3次産業、とりわけ商業、情報通信、及び対事業所サーピスの輸出入にみられる生産誘発効果が大きいことから、今後の日本の産業構造変化の推進力となり得る。(3)貿易に基づく産業調整コストは産業内貿易のほうが産業間貿易にくらべ小さいとのSAH仮説またはNDTG仮説は日本では確認できなかった。日本が比較優位を有する一部の工業品がプラスの産業調整インパクトを有すことがわかった。
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Research Products
(4 results)