2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本における有機農産物の効率的流通システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
20530395
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
酒井 理 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (30411466)
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Keywords | 有機農産物 / 流通システム / 消費者行動 |
Research Abstract |
本研究は、消費者の多様なニーズに応えつつ、日本における「安全」で「安心」できる農産物を供給する流通システムのモデルを考案することを目的とし、特殊な農産物の流通を苦手とする卸売市場流通システムの問題点を克服し、日本独自の有機農産物の流通システムのモデルを提案することを考えている。 本年度は、研究期間最終年であることから、これまでの研究成果にもとづいて日本独自の流通システムのモデル構築を探求することに注力した。付加価値のある農産物にどの程度の追加的な金額を支払う意思があるかといったデータを分析した結果、日本における流通システム構築は、消費者の付加価値に対する支払意思額がボトルネックとなっており、支払意思額を増加させるマーケティングが必要であることが明らかとなった。 国内の現地調査としては、JA石見銀山(島根県)、JAあぐり須賀川岩瀬(福島県)、協同組合阿波池田ラクーンネット(徳島県)に対するインタビュー調査によって、付加価値の高い農産物を扱う生産者の実情を把握した。成功例として取り上げられるケースであっても、販売実績は芳しくなく、生産者が実行するマーケティング政策の脆弱性が明らかとなった。 本年度の研究成果は、消費者の支払意思額の増加を実現するマーケティング政策の具体的提案が到達目標として明らかになった点である。
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