2010 Fiscal Year Annual Research Report
災害復興過程における地域内社会諸関係の再認識・再構築
Project/Area Number |
20530457
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松井 克浩 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50238929)
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Keywords | 災害復興 / 地域づくり / コミュニティ / 町内会 / 災害ボランティア |
Research Abstract |
すでに収集してある新潟県中越地震・中越沖地震関係の調査資料の分析を行うとともに、中越沖地震に被災した柏崎市民を対象としてアンケート調査を実施した。被災生活や復興の様子、町内会やコミュニティの役割などを尋ね、「災害に強い地域」の条件を探ることが目的である。20歳以上の柏崎市民1,000人を住民基本台帳から無作為に抽出し、配付・回収とも郵送で行った(回収率54.8%)。 その結果次のことが分かった。1)地震をきっかけとして地域のつながりが強化(地域への関心・愛着、あいさつ、生活面での協力)。2)災害時のジェンダーについては、今回は男女が分担していたが、今後の期待では「両方同じように」が増加、などである。 また同じ調査票を用いて、地域づくり活動が評価されている市内松美町でも調査を行った(回収率45.7%)。その結果、町内会等の活動では、いずれの項目も柏崎市全体より高い評価をうけており、生活面での協力や地域のつながりについても柏崎市全体より「増えた・よくなった」が多かった。 さらに、中越地震被災地である長岡市と中越沖地震被災地である柏崎市で現地調査を行った。長岡市では、旧山古志村に帰村した住民およびジェンダー関係の学習グループのメンバーから聞き取りを行い、柏崎市では、被災後のボランティア活動と防災コミュニティづくりをテーマに聞き取りを行った。 これらの知見をもとに、共著書『防災コミュニティの基層一東北6都市の町内会分析』(御茶の水書房,2011年)、および報告書『中越沖地震からの「復興」と地域生活に関するアンケート結果報告書」(新潟大学人文学部社会学研究室,2011年)を刊行した。
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