2010 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・キャピタルに基づく健康高齢者支援策の検討-健康・福祉コンビニの試み-
Project/Area Number |
20530472
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 マキ子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (80227173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 全夫 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (40041016)
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Keywords | 医療・福祉 / アクティブ・エージング / ソーシャル・キャピタル |
Research Abstract |
平成21年度と同じ調査対象エリアに対し、健康福祉コンビニに必要となるサービス内容の厳選を行うために地域支援活動を継続介入した。6月期「中山間地域に住む住民の困り事への"てご活動"の実践」と「健康訪問」を行い、8月期は地域の事業である"祭り"の企画・運営を行うと共に、民泊をし、地域への効果を検討した。3月期には社会実験として行われた島根県「里山レンジャー」の活動を紹介するとともに、本研究で行った「てご隊」活動との効果比較を行うためにフォーラムを開催した。 道端の清掃・舗装等、地域の困りごとへの対応は、暮らしを支えるという緊急かつ必要条件として重要であり、健康訪問等健康支援に関する対応は、生活の質向上のための十分条件として、切り離すことはできないことがわかった。このことは、健康福祉コンビニが担うサービスとして、ハード面(環境・機能)とソフト面(生きがい・安心)に立脚した内容を検討することの重要性が示唆された。 中山間地域で展開した健康福祉に関するサービスの効果について、「里山レンジャー」の活動と比較した。里山レジャーは、地域の作物や特産品について、作る・育てる・販売するという一連の活動を通して学生と地域住民のネットワークが強化される特質を持っていた。これに比し、本研究において行った活動は、生きていくためには避けて通れない「健康」や「安心」を通して、学生と地域住民の間に信頼が形成され、地域ネットワークの強化、地域の生きがいづくりに大きく寄与していた。 マンパワー・活力が減少する地域へ若者等、新たな人材や刺激を与えることで多くの効果が生まれた実態は、対象地域に対し、橋渡し型ソーシャル・キャピタルの機能と、地域自体(内部)が持つ統合型ソーシャル・キャピタル機能が効果したと考えられ、健康福祉コンビニの試みの意義が実証されたと考える。
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