2008 Fiscal Year Annual Research Report
「緊急地震速報」の導入と災害情報の適正化に関する研究
Project/Area Number |
20530481
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中森 広道 Nihon University, 文理学部, 教授 (80297754)
|
Keywords | 緊急地震速報 / 地震 / 災害情報 / 自治体 / 百貨店 / 集客施設 / 災害対策 / 調査 |
Research Abstract |
平成19年に気象庁が本運用を開始した「緊急地震速報」は、一部の行政・自治体の機関、百貨店などの不特定多数の収容施設でもすでに導入・活用しているところがあるものの、この速報を一般に伝えることについて、検討課題や問題点があることから、まだまだ慎重な自治体・企業体などもある。 主な問題点は、(1)この情報が一般の人々に伝えられることにより、住民や不特定多数の収容施設の利用者が望ましくない対応をとるなど無用な混乱が生じるのではないかなどといった懸念する見方も少なくないこと、(2)不特定多数の収容施設でこの速報が伝わった場合、利用者が安全を守るための空間や方法を作ることが難しい場所や安全または危険な空間を利用者に明示することに難色を示している施設があること、(3)導入のための費用などが十分確保できないこと、などがあげらると考えられる。そこで、この研究では、現在の段階における、この速報に対する自治体や不特定多数の収容施設の管理者の意識や対策の状況について把握するためのアンケート調査を行い、その現状と問題点を検証し、「緊急地震速報」の機能とその効果について明らかにし、その適正化を試みた。 平成20年度は、全国の地方自治体の中から「市」と「東京23区」(約800)と、不特定多数の収容施設の中から全国の百貨店(当初200の予定であったが、事情により約100に限定)を対象に調査を実施した(調査は平成21年3月に実施した)。調査方法としては、地方自治体の防災担当者、ならびに百貨店の管理者(防災担当者)を対象とした、30程度の設問による記述式の調査票を作成し、この調査票を郵送し、「緊急地震速報」の導入の状況、導入の方法、伝達の方法、導入・伝達に関する賛否や問題点、実施または検討されている対策とその課題などについて回答を求め、問題点を整理した。
|