2009 Fiscal Year Annual Research Report
「戦後沖縄文学」の社会学:文化表象論と文学制度からの接近
Project/Area Number |
20530483
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
鈴木 智之 Hosei University, 社会学部, 教授 (80235978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
与那覇 恵子 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (00220757)
塩月 亮子 日本橋学館大学, リベラルアーツ学部, 教授 (90297979)
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Keywords | 文学 / 社会学 / 戦争 / 記憶 / 制度 / 言語 / 沖縄 / 表象 |
Research Abstract |
2009年度は、毎月1回の定期な研究会を開催し、沖縄文学のテクスト分析の作業を継続した。また、ここでの成果をもとに、研究会メンバー(研究代表者、研究分担者、研究協力者)による共著(『戦後・小説・沖縄 文学が語る「島」の現実』鼎書房)を刊行した。この著作は、沖縄を代表する小説家の作品を中心に、沖縄の「戦後」を、文学テクストを通じて縦断的にとらえ直そうとするもので、「政治的状況と文化」「記憶と文学」「文学制度と文学実践」の関係を記述する研究報告書としての性格を備えている。 また、2009年9月2日~9月7日まで、研究会として沖縄を訪れ、作家・玉木一兵氏、てふてふP氏、詩人・宮城隆尋氏、トーマヒロコ氏、中里友豪氏、大城貞俊氏、琉球大学教授・仲程昌徳氏へのインタビューを行い、沖縄文学の現在の状況、及び歴史的認識についてのヒアリングを重ねた。 同時に、沖縄を中心に活動する映像作家・岸本司氏、川端匠志氏、プロデューサーである山田勇樹氏へのインタビューを行い、沖縄をめぐる「表象文化」の現状と、これに対する対抗的な映像制作の戦略に関して、ヒアリングを行った。この映像作家との対話の延長線上に、「沖縄表象」と「映像」と「文学」をめぐる新たな検討課題を見いだしつつある(この課題を中心に、2010年度中にシンポジウムを開催することを企画中である)。 さらに、沖縄の言語状況と文学に関しては、「言語的他者性」の社会的条件とこれに対する応答の戦略としての「文学」の可能性を捉え、これを「沖縄」という文脈からより「グローバル」なコンテクストに繋げて解読していく視点を獲得することができた。これについても、2010年6月に、シンポジウムの開催を予定している。
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Research Products
(4 results)