2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530576
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
唐澤 真弓 Tokyo Woman's Christian University, 現代文化学部, 教授 (60255940)
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Keywords | 幸福感 / well-being / 交差文化的方法 / 文化内差 / ミニマリスト |
Research Abstract |
研究の目的:本研究の目的は、従来開発してきた、日本的幸福感尺度(Kan, Karasawa & Mesquita,2007)に基づき、日本的幸福観として、ミニマリストの幸福感を検証していくことである。欧米で開発された尺度は、個人の快楽、個人志向、対人志向についてのポジティブな側面、最大化の幸福を表していたのに対し、日本的幸福観尺度として、別な下位尺度が新たに見いだされた。感謝の念,無常感、自然との調和からなる。これは、日本人の幸福感尺度として妥当性が高いと予想している。 研究実施計画:本研究では、この日本人の幸福感を測る尺度妥当性と信頼性を検討し、従来のスケールにある文化的バイアスを明らかにすることで、日本人の幸福感の低さを再考することとする。 今年度は、日本的幸福感を示すミニマリストの幸福感尺度を用いて、下記の研究を実施した。 ・ミニマリストの幸福感と従来のwell-being尺度の得点の予測因として自尊心、コントロール感、健康との関連を既存のデータアーカイブを用いて検討した。これらの変数はすべて従来のwell-beingを予測することが知られている。その結果、日米で同様のパターンがある一方、ミニマリストの幸福はすべて効果があるとはいえなかった。また、感情経験との相関を実施したが、調査協力者が20名と少なく、この実施方法について、再検討した。 ・東京の大学生にパイロットスタディを実施したうえで、東京の大学生およびその親に対して、日本人幸福感尺度の質問紙を実施した。結果は現在分析中で、来年度の心理学会で発表する予定である。 ・この結果をみたうえで、来年度の地域差の研究のための質問紙を作成した。
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Research Products
(9 results)