2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530652
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
西村 喜文 Nishikyushu University, 健康福祉学部, 教授 (40341549)
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Keywords | 臨床心理学 / 心理アセスメント / コラージュ技法 |
Research Abstract |
本研究は、申請者の心理臨床経験にもとづいて、健常な乳幼児から高齢者までの各発達段階のコラージュ表現について、形式、内容、印象などの側面から多角的に検討し、各年代の発達的特徴について考究し、その結果が健常な発達内容をとらえるアセスメントとして定位されることをねらいとしている。 平成20年度は、健常な乳幼児から高齢者までの2500名を対象にコラージュ技法を用いて調査を行った。具体的方法としては、公立保育所、学校、社会福祉協議会等の協力を得て2500名のコラージュ結果を収集し、形式分析(全体的表現特徴、切り方、貼り方などの表現特徴)、内容分析(表現された具体的内容)という数量的分析を行い「標準化」し各年代におけるコラージュ表現の特徴を明らかにした。その結果、形式分析、内容分析においては、加齢に伴うコラージュ表現の変化がみられ、各年代における表現特徴がみられた。また、性差においてもコラージュ表現に差がみられ、特に2歳という早い段階からコラージュ表現に差がみられ、乳幼児から高齢者にまでのコラージュ表現における性差もみられた。 以上のことより、コラージュ表現の発達特徴について明確にすることは、コラージュ療法が、乳幼児から高齢者までの内面を統一的に理解できる素材であり、コラージュ作成者の内的世界を理解する手がかりになり、発達心理学的にも大きな意味があるととらえられた。 また、健常な乳幼児から高齢者まで幅広くコラージュ作品を収集し数量的分析を行うことは、コラージュ作品を通して人間理解にも役立つもので、アセスメントとしてもとらえることができると思われた。
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Research Products
(2 results)