2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530658
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬山 淳一郎 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教 (90302653)
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Keywords | 実験心理学 / 写実性 / 情景知覚 |
Research Abstract |
本研究課題では、「本物らしさ」または「写実性」の判断の背景にある知覚・認知メカニズムの特性を、実験心理学的手法で検討してきた。21年度は、写実性判断に関する順応実験の結果に基づいて、写実性の判断が「本物らしさ」の検出過程というよりもむしろ、「作りものらしさ」の検出過程としてとらえるべきものであるという趣旨の仮説を提案した。22年度では、この理論の妥当性をさらに高めることを目的として、変化の見落とし実験を実施した。この実験において、被験者は、写実的画像が非写実的画像へと徐々に変化する画像系列(動画)、またはその逆方向に変化する画像系列のどちらか一方を、一切の予備知識無しに観察した。半数近くの被験者が、写実性の変化が提示されたことに気づかなかったが、写実性の変化に気づいた被験者の多くは、写実的画像が非写実的画像に変化する画像系列を観察した被験者であった。つまり、「本物らしさ」が徐々に出現しても、写実性の変化には気づきづらかったが、「作りものらしさ」が徐々に出現すると、写実性の変化に比較的気づきやすかったということである。また、補足実験の結果から、この実験状況では、視覚情報が徐々に消滅することよりも、徐々に出現することの方が、検出が容易であったことがわかっている。これらの実験結果は、写実性の判断が「作りものらしさ」の検出過程を意味するという仮説を支持していると考えることができる。 また、21年度の研究成果である、順応実験の結果をまとめた論文が学術誌に受理された。22年度の成果については、学術誌に投稿し、審査を受けている段階である。
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Research Products
(1 results)