2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530662
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 光太郎 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (40179205)
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Keywords | 錯視 / 月の錯視 / 大きさの知覚 / 見かけの大きさ / 空間知覚 |
Research Abstract |
本研究は、月の錯視という見かけの大きさの異方性を、観察時の姿勢の影響、上方向と下方向での違い、眼位と姿勢との関係などの点から検討する。平成20年度は、上方向と下方向での見かけの大きさについて実験をおこなった。 実験は、新潟市の新潟県民会館大ホールをほぼ完全暗黒にした状態でおこなわれた。被験者は12名。4基のレーザーポインターを用い、2基を被験者の正面・水平方向に向け、被験者から15mの距離に左右に一定の間隔(視角で3度)の2光点を提示した。この2光点の間隔を標準刺激とした。別の2基を被験者の上方向(あるいは下方向)に向け、同じく15mの距離に2光点を提示した。この2光点の間隔を比較刺激とした。被験者は、水平方向(0度)に提示される2光点(標準刺激)に対し、+20度(あるいは0度、-20度)に提示される2光点(比較刺激)が同じ間隔に見えるように、比較刺激の間隔を調節した。水平視条件(その方向に頭部が直交し、眼が水平に向く条件)と仰視/俯視条件(頭を垂直にして、比較刺激の方向に眼を上げる/下げる条件)とをおこない、眼位の影響も検討した。錯視量は、標準刺激の間隔と調節された比較刺激の間隔の比に相当する。 その結果、多くの被験者で、0度方向に比べ、+20度でも-20度でも過小視傾向が認められた。また、その傾向は、水平視条件よりも仰視で顕著であった(すなわち眼位も影響した)が、俯視条件ではそうではなかった。この結果は、月の錯視における眼位の関与を考える上で重要な意味をもつと言える。
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