2008 Fiscal Year Annual Research Report
大学と教育委員会の協働による校長人事・養成システムの構築に関する実証的研究
Project/Area Number |
20530738
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
元兼 正浩 Kyushu University, 人間環境学研究院, 准教授 (10263998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 正徳 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (40403977)
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Keywords | 校長資格 / スクールリーダー / 校長センター / 韓国教員大学校 / HSE |
Research Abstract |
本研究の目的は、国内外において教育改革のキーパーソンとされる校長職の資質力量を高める効果的なプログラムとその手法を開発するとともに、優れた人材を登用できる人事システムを検討することにより、自律的な学校経営を推進するための理論と実践を構築することにある。本研究は、a.校長職の資質・力量を高める効果的なプログラムとその手法を開発するb.優れた人材を管理職に登用するための校長人事システムを構築するという2つのテーマを内包している。そのためには、1まず、先行研究のレビューや全国調査などを実施し、わが国の校長職に求められる資質・力量の内実を明らかにすることが必要である。2次に、諸外国の実態や他分野の知見に学びながら、校長の資質・力量を向上させるためのプログラム開発やこれを効果的に遂行するための教授メソッドの検討も要請される。3上記のプログラムを有効に機能させるための自治体校長人事システムを教育行政機関との協働で開発し、実現可能なモデルを構築する。 初年度となった平成20年度は、採択が10月と遅れてしまったため、また2年目の予算規模が縮小されただめ、外国調査を先行して実施した。諸外国(韓国、アメリカ)の実態や知見に学びながら、校長職の資質・力量を向上させるためのプログラム開発やこれを効果的に遂行するための教授メソッドを研究し、校長任用など管理職人事システムの有り様まで考察するための基礎的調査を実施した。研究分担者・連携協力者とともに外国調査班(韓国班-佐々木、元兼、田中、アメリカ班-元兼、大竹、山下)を組織化し、プログラム内容や教授メソッド・スキルについて担当者に対する質問項目を構造化し、実際に現地を訪問して担当者に対するヒアリング調査を行った。ここで収集した資料や情報は2年目にかけて整理し研究会やフォーラムを開催することで、研究組織メンバーのみならず、教育委員会・教育センターの研修担当者や人事担当者とその共有化をはかり、もって日本的プログラムのモデル作りや教授方法論の開発に寄与させる予定である。たとえば韓国が本年度より校長資格研修を180時間から360時間に倍増させたことから予想されるコンフリクトを捉え、マクロな人事システムの視点でこれを考察する。このことは、我が国の校長任用など学校管理職人事行政をめぐる現状にきわめて示唆的と考えるからである。
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