2010 Fiscal Year Annual Research Report
CIE文書に基づく占領下の教師教育・教員免許制度改革に関する実証的研究
Project/Area Number |
20530742
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 寛人 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (10188047)
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Keywords | 教師教育 / 教員免許 / 戦後教育改革 / C I E / 教員養成 / 師範学校 |
Research Abstract |
本研究の目的は、占領下における教師教育に関するCIE文書を系統的に検討することによって、第一にCIEの果たした役割、文部省の対応、各師範学校および旧制大学等の対応を実証的に明らかにし、第二に、戦後日本における教職教育の内容を、CIEがいかなるものにかえようとしたのかを解明し、そして第三に、CIE主導の下に進められた教員資格・免許制度改革過程を明らかにすることである。 膨大なCIE文書の中から教師教育・教員免許制度改革に関する文書を探し出すことは骨の折れる作業であるが、教師教育・教員免許制度改革関係の資料は少なくはないので、多くの文書を収集した。その分析の結果、CIEが当初各学校における民主的な現職教育を重視しており、その促進のために「教職員の教育研究協議会」を新設した。その経緯を明らかにして論文「CIE文書に見る『教職員の教育研究協議会新設に関する件』通牒の作成経緯」を作成・公刊した。また、1946年における文部省とCIEの教師教育をめぐる動向を解明したので、「CIEの会議報告からみた占領初期における教師教育改革---CIE発足から教師教育担当官カーレーの着任まで---」を作成・公刊した。この論文では、教育刷新委員会で師範教育についての批判が展開される前に、CIEと文部省との間で、教員養成を目的とする学校の存続・発展を前提として教師教育の内容の改革に着手しており、そこでは当初から教職教育重視が前提になっていたことを明らかにした。さらに1947年以降の資料を分析・検討した。 今後も、C I E Records所収の諸資料等にもとづいて、教師教育カリキュラムの改革をめぐって、C I Eスタッフ、文部省担当者、日本人の教育学者などがそれぞれどのような構想を抱き、いかなるダイナミズムの中で改革が推移していったのかを実証的に解明する。
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Research Products
(2 results)