2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本における保育者のライフヒストリーに関する研究
Project/Area Number |
20530748
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
岩崎 美智子 Tokyo Kasei University, 家政学部, 准教授 (90335828)
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Keywords | 保育者 / ライフヒストリー / 戦後日本 / 職業 / 生活 |
Research Abstract |
平成20年度は、以下のような手順で研究が進められた。1)調査の前提となる作業-(1)ライフヒストリー研究の方法論の確認、(2)戦中・戦後の保育所や幼稚園の状況と保育内容、保育者養成に関する歴史的資料の収集と整理、(3)キャリア形成に関する主要文献の整理・検討、をおこなった。その後、2)調査対象者の選定と調査の依頼、調査の目的や方法の説明等を経て、元保育者(現役の保育者を含む)を対象に、全国17都道府県で聞き取り調査を実施した。戦中・戦後の保育を知る元保育者にインタビューすることを目標にしたため、調査対象者の年齢を原則70歳以上と設定し、依頼した対象者の病気や体調不良によるキャンセルもあいついだなか調査実施は困難をきわめたが、33人のケースを収集することができた。3)インタビュー調査と並行して、可能な限り、対象地域の保育関連団体が作成した記念誌などの資料収集もおこなった。また、対象者の平均年齢がおよそ77歳であることから、初めての就労時期である1950年当時の女性の就労状況や賃金等の労働状況、保育所・幼稚園の概況などの基礎データ収集や資料の確認をした。詳しいケース分析は、平成21年度におこなうが、職業選択の動機や要因、他者の影響などについて分析が始まっている。職業選択の動機が、現代に多く見られる「能力や個性を活かすこと」などと比べて、他者からの勧めや戦争など社会的影響を受けていること、保母(保育士)資格の取得方法が、養成校卒業よりも講習会や研修を経ての受験によるものが多かったことなどが、明らかになっている。
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Research Products
(2 results)