2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本とEU諸国における短期留学の特徴と高等教育の国際化に果たす役割の比較研究
Project/Area Number |
20530765
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 由利子 Tokyo Institute of Technology, 留学生センター, 准教授 (50323829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 佐知彦 大阪大学, 留学生センター, 教授 (70335397)
堀田 泰司 広島大学, 留学生センター, 准教授 (40304456)
高浜 愛 静岡大学, 国際交流センター, 准教授 (90444645)
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Keywords | 短期留学 / 大学の国際化 / Erasmus Mundus / ドイツ / スペイン / スウェーデン / ボローニャ・プロセス / 単位互換 |
Research Abstract |
ドイツ、スペイン、スウェーデンにおける短期留学生の受入れ状況と英語による授業の開講状況について調査を行うとともに、日本とEUの短期留学を比較するフレームワークを作成した。 訪問した三カ国とも修士レベルの英語によるプログラム開発に力をいれているが、学部の3年間は、母国語による教育が中心である。Erasmus MundusというEUの複数大学による共同大学院コースでは、大学間の調整にかなりの労力がかけられているが、奨学金供与もあり、EU外からの優秀な留学生の獲得に成功している。 ドイツでは、ECTSを採用した単位制度を使っているのは、全体の3分2にとどまっていた。 スペインでは、スペイン語もまた国際言語であるため、すべてのカリキュラムについて英語化圧力が働くわけではない。特に英語圏からスペイン語・スペイン文化に魅力を感じて留学をしてくる学生も多い。 スウェーデンでは、留学生からの学費徴収に向けての議論が、盛んに行われていた。 日本とEUの短期留学の強みと弱みについて、比較フレームワークから下記のような点が明らかになった。 <EUの強み>ボローニャ・プロセスを通じて、共通の学位システムや教育の質保証制度、単位互換制度を整備し、域外との学生交流においても、これらの諸制度の利点を大いに活用 <EUの弱み>国・分野によって、教育の英語化の程度が異なる <日本の強み>教員がプログラムコーディネータとして配置され、異文化理解、日本人学生との交流、課外活動などがバランスよく組入れられる。 <日本の弱み>(1)英語による講義確保の困難さ、(2)単位互換制度が定着していない、(3)短プロが「出島」となってしまい、学内の他の部局に国際化が十分に波及していない。
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