2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストーリーマンガを含む大衆文化作品を素材とする異文化教育教材と教師用リソース開発
Project/Area Number |
20530858
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
因 京子 The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing, 看護学部, 教授 (60217239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 瑞子 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (80156463)
西山 猛 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (40237756)
チョ ミギョン 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (30351985)
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Keywords | ストーリーマンガ / 異文化間理解 / 発話の解釈 / 文体的特徴 / 含意 / ジェンダー表現 / 発話の技巧 / ポライトネス |
Research Abstract |
教材開発については、教材化する作品選定のために資料を収集し、検討した。候補作品として『拝み屋横丁顛末記』(宮本福助)など数点を選定し、教材化に向けて言語、背景を分析した。空想的要素を含む作品を用いる方法論についての参考になる資料は皆無に等しく、慎重に作業を続行している。 教材及び教師用リソースの実用性検証については、当初2008年度は韓国を中心に行う予定であったが、台湾の大学から集中講義、講演の複数の依頼があったため、これらの機会を利用して台湾を中心に行うことにした。まず、台中市の南台科技大学の大学院生を対象に、開発した教材を用いて研究代表者の因が6日間の集中講義を行った。短時間の実験授業とは異なり、単位取得を前提として限られた期間に大量の資料処理を求めるという高負担の条件での授業であったが、学習目標は概ね達成され受講者の満足度も高かった。この実践により、開発教材が海外での日本語教育、異文化理解教育に有効に利用され得ることが立証された。聞き取り調査からは、漢字圏であり、日本文化の受容も進んでいる台湾においても、日本語の文体のニュアンス、人間関係の調整の方法について、より深く知りたいという要求、翻って言えば、現行の情報提供に対する不満及び不安が高いことが明らかになった。 研究成果の発表としては、代表者の因が日本語の語用論的技能をストーリーマンガによって提示する方法についての二つの講演を行ったほか、研究分担者の松村が日本語のポライトネスの特徴について講演を行った。講演及び集中講義の要請は、2009年度についても既に複数あり、本研究が社会的要請に応えるものであることが証された。
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Research Products
(6 results)