2009 Fiscal Year Annual Research Report
英語学習における聴覚障害学生支援のための音声認識技術の活用
Project/Area Number |
20530879
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
上原 景子 Gunma University, 教育学部, 教授 (40323323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOOGENBOOM RAY 群馬大学, 大学教育センター, 准教授 (80436295)
金澤 貴之 群馬大学, 教育学部, 准教授 (50323324)
大杉 豊 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (60451704)
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Keywords | 聴覚障害学生支援 / 音声認識 / 英語教育 / 情報保障 / 字幕呈示 / 音声同時字幕システム / ノートテイク / パソコン要約筆記 |
Research Abstract |
本研究の目的は、全国的に立ち遅れている「英語学習における聴覚障害学生支援」において、音声認識技術を用いた『音声同時字幕システム』を活用して情報保障をする方法を検討し、具体的な提案をすることである。 3年間の研究の中間にあたる21年度は、聴覚障害者5名、聴者5名(プレテストを行って英語読解力が2つの群で同等になるように調整)を対象に下記3つの実験を行った。 1.それぞれ品詞(語彙)・意味・音韻を判断する単語ペアを提示し、聴覚障害者と聴者では認知過程がどのように異なるのか検討した。 2.音声認識字幕を、自分が読みやすいと感じる区切りでスラッシュを引きながら読んでもらい、同時に眼球運動を測定した。 3.音声認識字幕を、句読点、意味の区切りなどによって、改行箇所を変えた6パターンの字幕に分けて提示して読んでもらい、同時に眼球運動を測定した。 これらの実験の結果、聴覚障害者は、音韻表象へのアクセスがないわけではないが、その必要がなければ意味表象へのアクセスが優位であり、自動化されたプロセスであることが考えられた。文章の読みでは、スラッシュをこまめに引くことはなく、また少ない単語数での改行は読みづらいと感じていた。この点において、聴覚障害者は、彼らの日本語の字幕の読みや改行の嗜好性とは大きく異なっていた。聴覚障害者に対する英語の音声認識字幕の提示では、誤認識変換の表示方法、第二言語としての英語の認知処理を考慮した改行の工夫が必要であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)