2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530890
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
牟田口 辰己 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (40282371)
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Keywords | 特別支援教育 / 視覚障害 / 盲児童生徒 / 歩行指導 |
Research Abstract |
1. 歩行指導に関する特別支援学校(盲学校)への実地調査 今年度は愛媛県立松山盲学校で実践されているパームソナーの実地調査を行った。パームソナーは、超音波ビームを発してこれが物に当たると、本体が振動して環境情報を提供するもので、手のひらに付けて杖のようにビームを空間に振り向けると、通り抜けられる方向や、障害物への距離などが分かる新たな電子式歩行補助具である。平成22年春に新製品が開発されたので、次年度ではこれを購入し、その効果と活用方法を検証する計画である。 2. 盲児童生徒のオリエンテーション技能を高める触地図教材の作成 (1) 触覚による分かりやすい触図表現 平成19年度から平成21年度にかけて文科省が実施した全国学力・学習状況調査の点字問題について、3カ年の算数・数学点字問題における触図の表現方法について検討した結果、平成19年度は亜鉛板製版を用いていたが、平成20年と21年度では、パソコンを活用した触図作成が行われており、パソコン点訳が今後用いられる可能性の高いことが示唆された。成果の一部を、広島大学大学院教育学研究科紀要に報告した。 (2) 盲児用触地図教材の開発 前年度に引き続き、今回購入した英国製触図作成機器バキュームフォーマーを活用した半立体教材を試作した。特に今年度は、作成のノウハウの具体的な触図作成手引きの基礎データを得ることができた。これをもとに、さらに多くの教材を作成して盲児童を対象にその指導の効果を検証する予定である。 (3) バキュームフォーマーに関する特別支援学校(盲学校)等への実地調査 視覚障害児童生徒用の触図を作成する最新機器であるバキュームフォーマーを導入している福岡県立柳河盲学校と川崎医療福祉大学(倉敷市)における機器の活用状況について、実地調査を行った。その結果、まだ作成された教材は少なく、その方法も試行錯誤の城を抜けておらず、さらに多くの教材作成の必要性が示された。
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