2010 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害児の感覚統合機能評価の妥当性に関する研究
Project/Area Number |
20530892
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
土田 玲子 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (30180011)
|
Keywords | 発達障害 / 発達検査 / 感覚統合機能 / 日本版感覚統合検査(JPAN) |
Research Abstract |
研究目的:新しく開発された日本版感覚統合検査(JPAN)の障害児における妥当性、信頼性について明らかにする。 研究内容:4歳から10歳までの軽度発達障害児(DSMIV-TRによる学習障害、運動能力障害、コミュニケーション障害、広汎性発達障害、注意欠陥及び破壊的行動障害のいずれかの診断に属する者)のデータを収集した。その結果、36名のデータが収集され、内訳は男児31名、序に5名であった。WISC-III知能検査またはK-ABC心理・教育アセスメントバッテリーにおけるIQは、個人内差が大きいものの平均はほぼ平均であった。南カルフォルニア感覚統合検査とのとの相関について分析、検討した結果、障害児の81%が-1SDに入り、その妥当性が確認された。また、下位項目との関係については体性感覚系の項目とは相関が認められず、むしろその最終産物である行為機能との関連が強く認められるなどの興味深い結果が得られた。さらに、障害児群をアスペルガー障害群(ASD)と非アスペルガー障害児群(Non ASD)に分けて分析すると、IQに関しては両群は全く差異が認められないにもかかわらず、明らかにASD群に有意に姿勢、平衡機能、行為機能、視知覚、目と手の協調運動の問題が大きいことが判明した。ゆえに、JPANは知能検査では評価することのできない、感覚運動機能の障害を明らかにできる妥当性が高い検査であることが示唆された。 今後の課題:障害児データの目標数を達成することができなかったため、今後も時間をかけて本研究を継続する必要がある。
|
Research Products
(4 results)