2010 Fiscal Year Annual Research Report
数体上の線型不等式系の同値類がなす淡中圏の構造の研究
Project/Area Number |
20540030
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤森 雅巳 神奈川工科大学, 基礎・教養教育センター, 准教授 (20312093)
|
Keywords | 代数学 / 数論 / ディオファントス近似 / 数体 / 線型不等式 / 淡中圏 / 代数群 / 表現 |
Research Abstract |
(スローブ0の)一般Roth系と呼ばれる数体上の線型不等式系について自然な同値類を考えると,その同値類全体は淡中圏をなすことが知られています.淡中圏とは,適当な(アファイン)群(スキーム)の(有理表現即ち)有限次元線型表現全体のなす圏と同一視出来る圏のことで,圏に付随する情報だけから元の群を復元することが出来ます.問題の淡中圏については,それを定めるアファイン群スキームの巨大な全体像は未だ知られていません,一方で本研究の研究代表者は,有限個の部分トーラスの生成する部分群が稠密となる数体上任意の代数群,例えばトーラスそのものや簡約群,は,非等方的であるかないかに拘らずに全て,問題の淡中圏の定める群の商群として自然な形で現われること,そしてこのことは任意標数の任意の体上へ全く同様に拡張可能であることを平成20年度迄の研究の中で証明していました.また基礎体上分裂する乗法的有限群は問題の淡中圏の定める群の商群として決して現れないと言うことと,古典的Rothの不等式に伴う線型不等式系の同値類がどの様な代数群の表現空間と見做せるかが,平成21年度の研究の結果わかっていました. 平成22年度の研究では,前年度に得られた結果が任意標数の任意の体上へほぼ同様に拡張可能であることを示すことが出来ました.ここまでに得られた結果については,平成20年度末迄の結果を既にプレプリントの形にしてありましたが,すべて一つにまとめた方が良いと考え改めてプレプリントを作成し直し,平成22年度末に数学雑誌に投稿しました. 上とは別に平成22年度の研究の結果,一般の有限群スキームが問題の淡中圏の定める群の商群として現れるかどうか'について,おおよその見当を付けることが出来ました.
|
Research Products
(2 results)