2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540071
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 俊明 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (60191855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 正和 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (40270996)
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Keywords | ケーラー磁場 / 辺2色彩色グラフ / 軌道 / ゼータ関数 / エントロピー / 距離と弧長 |
Research Abstract |
複素双曲空間のコンパクトな商空間上のケーラー磁場による軌道の離散モデルを考察するために、辺が赤・青の2色に彩色されているグラフを考える。このグラフは赤辺だけ考えた主グラフと青辺だけ考えた補助グラフとに分解される。そこで赤辺をaだけ進み続いて青辺をbだけ進むという動きを繰り返す道を(a,b)-道といい、これを強さb/aのケーラー磁場の軌道の離散モデルと考えた。 この考えが1つの正しい方向であることを示すために、長さT以下の(a,b)-閉素道の同値類の数の長さTに関する漸近挙動を考察してみた。伊原型のゼータ関数とよばれる物の正則性がグラフの最大固有値により判定でき、グラフのエントロピーを用いて漸近挙動の指数部分を表すことができる。このエントロピーを磁場が働かない場合、つまり補助グラフが空である場合と比較したとき、ケーラー磁場の閉素軌道の数の長さに関する漸近挙動と磁場が働かない場合である閉測地線の数の漸近挙動との比較と同様の挙動を示した。更にその具体的な数値について、長さaの軌道のの両端点の距離を考えたとき、グラフ上の(a,b)-道に対しては距離をa道の長さはa+bとなるが、これはケーラー磁場の弧長と距離との関係と比較してみると、上記のエントロピーの比に近似されていることがわかった。従って(a,b)-道はケーラー磁場による軌道の離散モデルと考えて良いと結論づけた。
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Research Products
(8 results)