2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540071
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 俊明 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60191855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 正和 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (40270996)
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Keywords | 佐々木磁場 / 円軌道 / A型実超曲面 / キリング螺旋 / レングス・スペクトラム |
Research Abstract |
ケーラー多様体の実超曲面上には概接触構造がケーラー構造から誘導され、この構造に対応した佐々木磁場を考えることができる。この磁場は一様磁場ではないため、一般にはその磁場の下での荷電粒子の等速運動である軌道はフレネ=セレーの公式に関して単純ではない。しかし複素空間形内のA型実超曲面といわれるホップ超曲面においては、円になる軌道が存在することが昨年度の研究で明らかになった。特にA_1型といわれる測地球・ホロ球面などの実超曲面の中にはφ断面曲率が一定である佐々木空間形とよばれる多様体が含まれており、概接触構造を持つ多様体のモデルとして重要である。今年度はこれらA_1型実超曲面における円軌道の様子を詳しく調べることにした。 部分多様体上ではその構造自体の複雑性もあり考察しにくいことから、まず円軌道を埋め込まれた複素空間形の中で考察し、複素2次元空間に含まれる本質的に4次のキリング螺旋になることがわかった。この性質によりホップ写像を通すと3次の微分方程式で表現される。一方、複素射影空間上の円は部分多様体上の円とは全く別物ではあるが、これもやはりホップ写像を通すと3次の微分方程式で表現されることが以前の研究でわかっていた。そこでこの2つの微分方程式の特性多項式を比較することで、両者の代数的性質を通して円の幾何学的性質から円軌道の幾何学的性質を解明するに至った。A_1型実超曲面上では閉円軌道も開円軌道も等長写像による合同性を除いてもそれぞれ無限個存在し、閉じるための必要十分条件は磁力が互いに素な2つの整数を用いたある関係式を満たすことであることがわかった。また、閉円軌道の長さをすべて考えたレングス・スペクトラムについて、ケーラー磁場の場合と異なり数直線上の非有界な集合になることもわかった。
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Research Products
(11 results)