2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540081
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長友 康行 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (10266075)
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Keywords | モジュライ空間 / ベクトル束 / 調和写像 / 反自己双対接続 / 表現論 / リー群 / 対称空間 / 極小部分多様体 |
Research Abstract |
昨年度までにリーマン多様体からグラスマン多様体への写像が調和写像となるための必要十分条件を得ることに成功していた。この定理は、グラスマン多様体が球面であるときには、極小曲面に関する「高橋の定理」を含み、またグラスマン多様体が複素射影空間である場合には小平埋め込み定理を例として含む。この理論を利用して、一般論はおろか具体例すらあまり知られていなかった調和写像の例を組織的に構成できた。また、ある条件をみたす調和写像のモジュライ空間を線形代数的なデータを使って記述した。この構成はインスタントンに対するADHM構成法とよく似ているが、両者ともに非線型方程式の背後に線型方程式が存在することにその因がある。また、最終的に、「高橋型の定理」をリーマン多様体からコンパクト型の対称空間への調和写像に対する定理として拡張することができた。これらに関する結果は、すでにひとつの論文にまとめられた。 また、昨年度までに「ツイスター切断の幾何学」の類似をコンパクト対称空間上で展開した結果、ほとんどのコンパクト型の既約対称空間において、全測地的部分多様体の組を発見し、ベクトル束の切断から得られる関数が、グラスマン多様体上では等径関数となっていることを示していた。今年度はさらに同様の方法で得られる関数がほとんどの場合、等径関数となっていることを示せた。この関数が部分多様体の族を与え、このうち唯一っ極小部分多様体が存在することを示すこともできた。ただし例外的な場合があり、この場合、上記のように構成された関数は等径関数ではない。ところが、もうひとつ独立な関数を構成でき、このふたつがベクトル空間に値をもつ等径関数となることを示せた。この例外的な現象は、最初の切断から、さらに新しいベクトル東上の切断を構成でき、その新しい切断がより大きな対称性を持つことに起因している。これらに関する結果は、現在論文を準備中である。 最後に、四元数ケーラー多様体の典型的な例である四元数射影空間において、実8次元の場合に、U(1)作用を考えその商である実7次元多様体にcalibratedG2構造を与えることに成功した。これは、いかなるU(1)作用でも定義される構造だが、特別なU(1)作用では、いわゆるG2構造になるものと期待している。
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Research Products
(3 results)