2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540096
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松元 重則 日本大学, 理工学部, 教授 (80060143)
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Keywords | 葉層構造 / 群作用 / 離散群 / 多様体 / 極小集合 / 基本領域 / エルゴード性 / 不変測度 |
Research Abstract |
コンパクト多様体上の可微分葉層構造の各葉にリーマン計量を与えたとき、多様体上に調和測度が定まる。これは葉に沿ってのブラウン運動を記述するものであり、葉層構造の幾何学的な・しは力学的性質と密接な関係を有している。とりわけ各葉が負定曲率の場合、調和測度は典型的な葉の普遍被覆上定義された正の調和関数を正数倍を除いて定める。これに伴い各葉の普遍被覆の境界上にその調和関数を与える確率測度が定まる。 いま調和測度がエルゴード的と仮定すると、ほとんどの葉に対し境界上の確率測度は一点上の点測度になるか、さもなければ、ほとんどの葉に対し特異かつ全体で保持された測度になるということを証明した。葉層構造がリー群から古典的に定義されるものの場合は前者になるが、後者の例も存在することも証明した。かなり緩い条件下で後者になることが期待されるが、その証明は不成功であった。今後の研究課題である。 多様体上の葉層構造は横断的ホロノミーが同程度連続の時、ホロノミー普遍な横断的測度を持ち、もしも多様体がコンパクトならば、それは定数倍を除き一意的であることを示した。 円周上の一回連続可微分同相写像で、ルベーグ測度正のボレル集合を、基本領域としてもつものの存在を示した。(児玉大樹氏との共同研究。) 平面上の同相写像が非自明な連続体Xを極小集合としてもつとき、その補集合の連結成分中普遍なものはちょうど二つであり、他の補集合はみな遊走的であることを示した。(中山裕道氏との共同研究。
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