2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540096
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松元 重則 日本大学, 理工学部, 教授 (80060143)
|
Keywords | 離散群作用 / 平面写像 / 連続体 / prime end / 回転数 / Liouville数 / ヘルダー連続 / 絶対連続 |
Research Abstract |
本研究の目的のひとつは、離散群作用の力学的性質を調べることであった。中山裕道氏との共同研究において、平面上の同相写像fを取り扱った。fが一点ではない連結コンパクト集合Xを保存し、またX上では全ての軌道が稠密であるとする。このときXの位相型には大きな制約がつくと思われる。これについて次のような結果を得た。Xの補集合はf-不変なものと遊走的なものしかなくしかもf-不変なものはちょうど2個である。証明にはカラテオドリのprime endの理論が用いられる。またCartwright-Littlewoodの研究結果も利用する。 円周上の無限回微分可能な同相写像fに関する研究も行った。fの回転数がLiouville数の場合、fと回転との共役を与える同相写像hの滑らかさに関する研究である。結果は、ありとあらゆる滑らかさを取ることができるということである。具体的には、共役写像hが次に掲げる性質を持つようなfは稠密に存在するということである。(1)絶対連続でもヘルダー連続でもない。(2)絶対連続ではあるが、ヘルダー連続ではない。(3)ヘルダー連続ではあるが、絶対連続ではない。(4)ヘルダー連続かつ絶対連続ではあるが、1回微分可能同相写像ではない。(5)k回微分可能同相写像ではあるが、k+1回微分可能同相写像ではない。 このほかに、稲葉尚志、三松佳彦両氏との共同研究において、法方向に縮小的であるリー群作用を取り扱った。リー群がunimodularの場合、閉多様体の上にはこのような作用は無いというものである。しかしunimodular出兄倍いはこのような作用は豊富に存在する。これを数多くの例を挙げながら、指し示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までの準備が、実を結び、多くの結果を出すことができた。またよい共同研究者に恵まれたことも成功の理由のひとつと考えている。研究能力を高めるために、国内外の多くの研究集会に出席したことも、大いに役立っている。これが可能であったのは、科学研究費の補助があったからであり、深く感謝するものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
円周上の無限回微分可能同相写像fでその回転数がLiouville数であるものについては、fと回転との共役をあたえる同相写像hがヘルダー連続でも絶対連続でもないものが生成的集合をなしていることが想像される。これを解決したい。一般に、滑らかな力学系があたえられていて、それが標準的なものと位相共役である場合、その共役写像の滑らかさについて何がいえるのか、円周上の拡大的写像、アノソフ微分同相写像について、研究したい。
|
Research Products
(4 results)