2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540154
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡 裕和 茨城大学, 工学部, 教授 (90257254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 剛 茨城大学, 工学部, 准教授 (10434002)
植木 誠一郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (70512408)
細川 卓也 茨城大学, 工学部, 講師 (90553579)
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Keywords | 半線形発展方程式 / q-変形正規作用素 / ソボレフ空間 / 単位的半単純可換Banach環 / 荷重合成作用素 / 積分型作用素 / Fock型関数空間 |
Research Abstract |
1.半形発展方程式の時間大域的な古典解を求めるための抽象的な枠組みを提案した。その枠組みの特色は、主部である線形作用素の定義域が考えている空間で稠密とは限らない点、及び、解の低階のエネルギー評価に対応する『近似解に対する増大条件』を課すだけで、解の高階のエネルギー評価を導出できて、それがゆえに時間大域的な古典解が得られる設定になっている点である。これらの特徴を備えた偏微分方程式として、強い粘性を伴う準線形双曲型偏微分方程式、及び、Zakharov方程式などが挙げられる。これらの方程式の時間大域的可解性の問題へ得られた定理を応用した。 2.ヒルベルト空間における作用素論的な側面からの研究の成果として、q-変形正規作用素に1対1対応する縮小作用素の特徴付けを行った。また、ヒルベルト空間型の1次のソボレフ空間と2次のソボレフ空間の距離の値の代数的性質を調べた。 3.2つの単位的半単純可換Banach環の間の全射な写像のうち、スペクトル半径を保存しているときの写像の形を決定した。 4.解析関数空間上の荷重合成作用素、積分型作用素の有界性・コンパクト性を作用素を構成する因子uとφが持つ函数論的な性質を用いて特徴付ける研究を行った。Fock型関数空間上の荷重合成作用の研究では、uとφから構成される関数の無限遠点における挙動により、その有界性・コンパクト性を特徴付けた。Bloch型空間上の積分型作用素の性質は、uとφの境界における挙動で特徴付けられることを明らかにし、さらに、それらの境界挙動を示す条件と作用素ノルム・本質ノルムとが互いに比較する評価不等式を確立した。
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