2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540156
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊藤 隆 Gunma University, 教育学部, 教授 (40193495)
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Keywords | 作用素空間 / 数域半径作用素空間 / ノルム空間 / 完全有界性 / 完全正値性 / 行列作用素システム |
Research Abstract |
Ruanによって導入された作用素空間が、抽象的作用素空間と具体的作用空間の2つの側面をもつように、伊藤-渚によって導入された数域半径作用素空間も2つの側面(伊藤-渚の公理を満たす空間)と(ヒルベルト空間上の数域半径ノルムをもった有界線形作用素からなる部分空間)をもっている。数域半径作用素空間の視点から、作用素空間、ノルム空間(またその双対)を見ると、様々な問題を提出できるが、ここでの研究は、関数解析的アプローチに的をしぼり、いくつかのノルム空間を自然な条件下で数域半径作用素空間として具体的に表現することを目的としている。これは、 1.アラオグル-の定理を用いて一般のノルム空間を可換な連続関数環の中に等距離で埋め込むこと 2.Ruanによる作用素空間のヒルベルト空間上の作用素ノルムをもった空間へ(完全有界の意味での)埋め込み 3.C*-環の代数構造を含めたヒルベルト空間上の作用素ノルムをもった空間への埋め込みの3通りの埋め込みを等距離同型と順序同型の視点から見直す点に特徴をもつ。 *構造を保存し、かつ順序も保存する構造の中に、Rizky Rosjanuardiの学位論文で扱われた半直積から作られるテープリッツ環のUpwards-Looking Topologyの持つ位相的性質が、有効性をもつことから、今年度、Rizkyの共同研究としてテープリッツ環の極大素イデアルの特徴付けを行った。既にプレプリントとしてまとめ、投稿中である。 行列作用素システムと作用素空間で互いに扱うことができなかった性質(行列作用素システムでは、完全有界性、作用素空間では、完全正値性)を統合するという問題は、未解決なままであるので、Choi, Effrosの視点に立ち返り具体的な作用素を用いた例の作成を続けている。
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