2010 Fiscal Year Annual Research Report
バナッハ空間のノルム構造及び種々の定数についての研究とその応用
Project/Area Number |
20540158
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幹雄 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50090551)
羽鳥 理 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70156363)
渡邉 恵一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50210894)
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Keywords | バナッハ空間 / James定数 / von Neumanr-Jordan定数 / 三角不等式 / Dunkl-Williams不等式 |
Research Abstract |
バナッハ空間のノルム構造を調べる上で、単位球の形状を調べることは重要であり、その形状によって多くの理論が成立し、或いは、不成立の場合と分かれ、数学の理論に大きく影響を与える。その単位球の構造を調べるために、単位球の構造を反映させる計量を、幾何学的な種々の定数として導入する。その代表的なものとして、James定数とvon Neumann-Jordan定数がある。その定数の計算はまだまだ調べられている例は少ない。そこで、この研究では、前年度に続いて、2次元空間のノルムの端点について、James定数の計算に成功した。さらに、von Neumann-Jordan定数の計算とその凸構造としての性質を求めた。 一方、ノルム空間の三角不等式の精密化を以前に発表したが、その不等式の証明の簡略化に成功し、更に、等号条件を求めた。さらにその応用について考察した。また、平均の考え方を導入して、Sharp mean inequalityを示した。更に富永と共同でDunkl-William不等式の研究に着手し、その作用素版についての不等式を得ることに成功した。 今後の研究課題としては、種々の定数の計算が可能なのは、2次元に限られており、3次元以上では困難を極めているので、3次元以上に相応しい定数を導入し、この研究課題を継続していく予定である
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