2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540172
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉野 正史 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00145658)
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Keywords | 漸近解析 / ボレル総和法 / ハミルトン系 / 超級数 / 非可積分性 / 特異摂動 / 完全積分可能性 / Toeplitz作用素 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下のとおりである.(1)一般のnon-Kowalevskian方程式に対する種々の初期境界条件下での形式解に対するモーメント総和法理論の構成とToeplitz作用素理論の適用をUlm大学(ドイツ)のW.Balser教授との共同研究として実行した.(一部出版済み)さらに,2011年3月にウルム大学を訪問し,ハミルトン系の非可積分性を引き起こす第一積分の構造解析を目的としたボレル総和法理論の構成,さらに,超級数に対するボレル総和法理論の構成について共同研究をした.前年度の研究過程で明らかになったToeplitz作用素がボレル総和法に本質的にかかわるという事実についても,さらに研究を進めた.2010年8月および11月に広島大学において,これらの研究と関連して,カリタス大学の山澤氏(共同研究実施中),岡山理科大学の日比野氏,名古屋大学の三宅氏等と解析的多変数フックス型偏微分方程式のボレル総和法を応用した解の構成,および解の特異性の研究を実行した.(2)超級数のエカール・ボレル総和法および関連したテーマであるハミルトン系の非可積分性等に関する国際短期共同研究を6月末に京都大学数理解析研究所で開催した.これらの研究集会での研究成果を踏まえて,12月にカリアリ大学を訪問し,T.Gramchev教授とハミルトン系のGevrey積分可能性に関する研究およびGevrey漸近解析について共同研究を開始した.(現在も継続中)1月には,ウーハン科技大学のYang Yin教授を招聘し,走化性方程式の漸近解析について研究した.(翌年度に継続)また,国立環境研究所の田中喜成主任研究員と環境リスク評価モデルへの漸近解析理論の応用を行い,進化型3種捕食系を中心に研究し,進化速度を漸近パラメーターとし,新しい現象を発見した.(投稿予定)
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Research Products
(6 results)