2009 Fiscal Year Annual Research Report
フックス型偏微分方程式系の代数解析的・超局所的視点からの研究
Project/Area Number |
20540191
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 晋 Nihon University, 理工学部, 准教授 (00349953)
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Keywords | 代数解析学 / 超局所解析学 / D-加群 / 佐藤超函数 / 初期値,境界値問題 |
Research Abstract |
(i)解析的範疇の無限階擬微分作用素(holomorphic microlocal operator)の表象解析に関して,その基礎的部分(特に作用素の積の具体的表示)について未整理,不完全な点がある事が近年発見された.これに関連して,片岡清臣,神本晋吾両氏(東大数理)が,彼らの共同研究に於いて新たに広い表象のクラスを導入し,表象解析の理論を与えた.私は,この共同研究に示唆され,従来の表象理論を基に,上述の不完全な点の改善を試みる方法を考察した.細部等は今後の研究に俟つ所まだ多いが,取りあえずこの方法を用いれば,片岡・神本のように新たなクラスを導入する事がないので,より初等的であると考えられる. (ii)Regular-specializableな方程式系(連接D加群)に関し,の佐藤超函数解に対するLaurent及びMonteiro Fernandesの境界値写像は,境界面に対して緩増大なSchwartz超函数解に対しても境界値写 像を誘導する事を,一般的な設定下で証明する事が出来た.更に,種々の場合に,可解性条件を考察した.この結果は2009年10月,研究集会Microlocal Analysis and Related Topics(京都大学数理解析研究所,関西学院大学数理科学科共催)に於いて発表された. (iii)本研究費の補助に依って,熊ノ郷直人氏(工学院大学)と共同で,2010年3月に日本大学理工学部で研究集会を開いた.特に,Giovanni Morando氏(パドヴァ大学)にRiemann-Hilbert Correspondences and Subanalytic Sitesという題名で2回講演をして頂いた.Morando氏の講演内容は,将来の応用を見込めるもので,特に上の(2)の結果と関連が深い.又,自身でCauchy and Boundary Value Problems for Gevrey Function or Ultradistribution Solutions to Irregular Systemsという題で講演を行った.
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Research Products
(2 results)