2008 Fiscal Year Annual Research Report
中質量領域中性子過剰原子核に現れるダイニュートロン相関とエキゾチック集団励起
Project/Area Number |
20540259
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松尾 正之 Niigata University, 自然科学系, 教授 (70212214)
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Keywords | 変形中性子過剰核 / 連続状態HFB理論 / ダイニュートロン相関 / 対移行行列要素 |
Research Abstract |
本研究課題は、中質量領域の中性子過剰原子核を対象に、ダイニュートロン相関とエキゾチック集団励起モードに着目して、この領域の原子核構造の特徴を理論的に解明することを目指したものであり、本年度は以下の2点に関して研究を実施した。 (1)ダイニュートロン相関の実証方法を多角的に研究する。 間接的に実証するための1手法として、低励起四重極状態や基底状態に対する対移行反応行列要素に着目し、有効対相関力の密度依存性に対する感受性を、中性子過剰Sn,Ni,Ca同位体を対象にした連続状態QRPA理論で分析した。低励起四重極状態については感度が特に高く、それぞれ、N>82,N>40,N>32で顕著であることを見出した。また、ソフト8重極モードがダイニュートロン型であることを解明した。 (2)軸対称変形を取り入れた連続状態QRPA理論の構築に向けた基盤開発 座標表示HFB理論に対する部分波展開チャネル結合形式にもとづき、軸対称変形に散乱境界条件を組み込んだ連続状態HFB理論を定式化した。軸対称変形Woods-Saxonポテンシャルと密度依存型デルタ相互作用模型にもとつく数値計算コードを構築した。これにより、ドリップライン近傍変形核の準粒子スペクトルを調べ、スペクトル幅や有効対ギャップなどの基本的様相を分析した。
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