2008 Fiscal Year Annual Research Report
希土類硫化物における異常磁気相転移と付随する伝導異常の機構解明
Project/Area Number |
20540329
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
戎 修二 Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10250523)
|
Keywords | 希土類硫化物 / 単結晶 / 磁気相転移 / 異常磁気伝導 / 磁気抵抗効果 / 圧力効果 / 磁場中電気抵抗 / 複数磁性サイト |
Research Abstract |
(1) 高圧印加が希土類硫化物の磁性に及ぼす効果 圧力セルを用いて、α-R_2S_3(R=Gd, Tb, Dy)に1GPaの高圧を印加し、磁化測定を行った。α-Gd2S3の磁化は常圧の場合とほとんど変わらず、波動関数の等方性に起因していると考えられる。α-Tb_2S_3においては、常圧下でTb1サイトの磁気モーメントが秩序化した温度での異常が高圧下では消失し、Tb2サイトモーメントの秩序化温度で、b軸方向磁化にも新たに異常が発現した。α-Dy2S3では、Dy1モーメントの秩序化に伴う磁化の異常は維持し、Dy2モーメントの秩序化に伴う異常が大きく`様相を変えて発現した。各試料におけるより詳細な測定・解析は、機構解明の鍵にもなり得る。 (2) 混晶系希土類硫化物の合成と磁性 GdTbS_3, YGdS_3等、4種のα-Gd_2S_3型結晶構造を有する新規混晶系硫化物の粉末試料合成に成功し、磁気転移温度のシフトなどが確認された。狙いとしている異種元素の選択的なサイト占有が実現した硫化物は、現段階では得られていない。 (3) 希土類硫化物の磁場中電気抵抗 α-Sm_2S_3の磁場中電気抵抗測定を行い、ある特定め温度においては10^4Oe程度の磁場で99%も電気抵抗が減少する、という極めて大きな負の磁気抵抗効果を確認した。 (4) 輸送特性測定用圧力セルを用いた予備実験 電気抵抗測定用の圧力セルを用いて、スキルを要する希土類硫化物単結晶への電極付け、高圧印加の訓練を行った。また本試料にはインジウムがのりにくく、最適な電極付け方法を検討中である。
|
Research Products
(6 results)