Research Abstract |
磁性金属イオンに有機酸を配位させ,2次元,3次元のネットワークを形成させた磁性金属・有機ハイブリッド化合物は,含んでいる比較的フリーな水分子を取り除くことにより,沢山の規則的な細孔を作ることができるので,この細孔を利用したガス吸着,触媒,化学物質の分離などに使える新しい機能材料としても期待されているが,その為には,この細孔に他の分子性ガスなどを吸着させることができるか否か,また吸着させて作製した新物質の物性,特に磁性の変化を明らかにすることが必要である,また,ガス分子等を吸着させた時の,主として磁性は多彩であると期待され非常に興味がある.本研究では,これらの化合物に酸素などの分子性ガスを吸着させ,その磁性の変化などを各種の実験手法を用いて明らかにすることを目的に研究を進めた. まず,平成20年度は,分子性ガス吸着を連続的,可逆的に行いながら,その状態のままで磁気測定(in situ磁気測定)ができる測定システムを立ち上げ,研究対象として候補に上げているいくつかの物質について,ガス吸着の状況とガス吸着による磁性の変化に関して予備的な測定を行った. その結果,酸素ガス(O_2)吸着,あるいは,笑気ガス(NO)吸着に依ると思われる磁性の変化を観測でき,作製した測定システムの機能が計画通りである事を確認するとともに,次年度の精密測定の為の準備ができた.
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