Research Abstract |
磁性金属イオンに有機酸を配位させ,2次元,3次元のネットワークを形成させた磁性金属・有機ハイブリッド化合物は,含んでいる比較的フリーな水分子を取り除くことにより,沢山の規則的な細孔を作ることができるので,この細孔を利用したガス吸着,触媒,化学物質の分離などに使える新しい機能材料としても期待されているが,その為には,この細孔に他の分子性ガスなどを吸着させることができるか否か,また吸着させて作製した新物質の物性,特に磁性の変化を明らかにすることが必要である.また,ガス分子等を吸着させた時の,主として磁性は多彩であると期待され非常に興味がある.本研究では,これらの化合物に酸素などの分子性ガスを吸着させ,その磁性の変化などを各種の実験手法を用いて明らかにすることを目的に研究を進めた まず,平成22年度は,平成21年度に引き続いて,自作の測定システムを用いて,さらに異なる2種類の磁性金属・有機酸ハイブリッド化合物について,酸素ガス(O_2)および笑気ガス(NO)吸着に依る磁性の変化を精密に測定し,ガス吸着効果を明らかにした.いずれの化合物においても,これまでの化合物と同様に,磁性分子であるこれらの分子を吸着させると,反強磁性状態になると思われるが,そのメカニズムなど詳細はまだ明らかではない.関連する研究成果は分子磁性国際学会(北京)および物理学会九州支部例会(長崎大学)などにおいて研究発表するとともに,研究論文として公表した
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