2009 Fiscal Year Annual Research Report
特異なバンド構造と電子相関の協力効果による新奇量子伝導現象に関する理論的研究
Project/Area Number |
20540350
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
黒木 和彦 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (10242091)
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Keywords | バンド構造 / 電子相関 / 超伝導 / 熱電効果 / 層状窒化物 / 酸化物 / 鉄ニクタイド / 有機導体 |
Research Abstract |
(1)層状窒化物超伝導 層状窒化物MNCI(M=Hf,Zr)に対して第一原理計算のバンド構造を再現する有効模型をもとに、スピン揺らぎ媒介によるd波超伝導の可能性を提唱した。ギャップのバンド・フィリング依存性を議論し、実験との対応を検証した。 (2)鉄ニクタイド超伝導 鉄ニクタイド超伝導体における結晶構造の効果を調べた。第一原理計算を元に構築した5バンドの有効模型を用い、鉄の面から図ったニクトゲンの高さに応じて超伝導ギャップにおけるノードの有無、臨界温度の高低が変化することを示した。 (3)銅酸化物および類似の電子状態を持つ物質の理論探索 銅酸化物における臨界温度の物質依存性に関する研究を開始した。同じ一層系に分類されるLa_2CuO_4とHg_2BaCuO_4において臨界温度が大きく異なる起源として、バンド構造の違いがあることを見出しつつある。また、前年度に引き続いて、銅酸化物と類似の電子状態を持ちうる物質の理論探索を進めた。 (4)熱電効果 SrTiO_3の大きな熱起電力の起源について、第一原理バンド計算をもとにした研究を行い、バンド縮退の効果とバンド形状効果を議論した。また、K_xRhO_2の大きな熱電効果の起源の研究に着手した。さらに、τ型と呼ばれる有機導体の熱電効果についてもバンド形状から理解できることを示しつつある。
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Research Products
(22 results)