2009 Fiscal Year Annual Research Report
クリーン単結晶NMRによる高温超伝導と競合秩序の研究
Project/Area Number |
20540360
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 昌秀 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 研究員(科学研究) (30448758)
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Keywords | 高温超伝導 / 隠れた秩序 / 磁束格子 / スーパークリーン |
Research Abstract |
本研究は銅酸化物高温超伝導体においてスーパークリーンな系であるYBa2Cu4O8(Y-1248)単結晶を用いて、超伝導における競合秩序や隠れた秩序変数の共存などの精密な物性を明らかにすることを大きな目標として行っている。 これまでは、実験結果の解析、実験環境の構築を主として行ってきた。京都大学にある超音波モーターによる回転機構を用いたNMR実験を予備的に単結晶Rb2Cu3SnF12を用いて行った。この実験にはこれまでに作成した試料およびNMRコイルを固定するステージを使用した。同時に信号感度の改善をCu2OCl2試料の測定を通して行い、小さな試料、小さな信号に対する信号雑音比の改善に成功した。この結果、小さな単結晶Rb2Cu3SnF12における磁場に対する角度依存性を測定することができた。この回転機構は電気的な回転であるために回転時に発熱の問題はあるが、機械式に比べ熱流入なども少なく安定している。ごく僅かな試料でもこのプローブを用いることにより単結晶試料による角度依存NMR実験を実施することが可能であることが実証された。このように実験環境は整いつつある。並行して実験結果の解析も行っている。まだ成果を発表する段階には至っていないが、予備実験により得られた豊富なデータの解析も順次進行している。平成21年度の成果を元に、平成22年度はさらなる解析、実験を進めていき、混合状態での超伝導と隠れた秩序変数(SDW)の共存などの高温超伝導固有の性質について明らかにしていく予定である。
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Research Products
(6 results)