2011 Fiscal Year Annual Research Report
強レーザー場中における原子・分子再散乱電子の運動量分布及び応用の理論研究
Project/Area Number |
20540386
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
トン ショウミン 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80422210)
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Keywords | 強レーザー / 原子過程の制御 / 光透過性 / アト秒レーザー / 再散乱電子 |
Research Abstract |
1.昨年の研究の続きで、我々が開発した唯一の計算手法を利用した大規模数値計算で、赤外線補助の原子光吸収過程の研究を行った。その計算で、赤外線の11次と13次高次高調波(軟X線)と親の赤外線の到着時間により、軟X線がヘリウム原子を透過するかどうかを短い時間(フェト秒或いはアト秒範囲)で制御できることが判明した。その制御条件をアメリカの実験グループに提案して、実験で初めて光の透過性を短い時間(フェト秒或いはアト秒範囲)で制御することを実現した。同じ手法で、物質の光透明性がアト秒の範囲で制御可能なので、共同研究結果は物理分野に有名な雑誌Physical Review Lettersに発表された。 2.近年、短パルース強レーザーの進捗に伴う、相対的な位相(Carry Envelop Phase CEP)により、物理的な過程の制御が可能であるが、実験的にCEPを直接測るのは難しいことである。実験観測した電離電子の運動量分布と理論計算値を比べて、CEPを抽出するのは今良く使われている手法である。指導した学生さんたちが理論計算で強レーザー場における原子電離電子の運動量分布と強レーザー場の幅やCEPの関係を解明した。この研究により、実験観測した電離電子の運動量分布と我々の計算と比べて、より精度高いCEPとレーザーの幅を得ることが可能である。この結果はPhysical Review Aに発表された。 3.近年、波長が長い強レーザーの開発に伴う、再散乱電子を利用して原子・分子内部構造解明の研究が活発にされてきた。この研究の重要な一部は物理原因の解明である。通常の電子ビームと比べると、再散乱電子の運動量分布や到着時間が分からないので、電離電子を精密的に観測しても、原子・分子内部構造抽出するのは難しいことである。我々の唯一の計算手法でアト秒レーザーを利用して電子波束を生成し、生成された電子波束を右向きと左向きを分けて強レーザー場に発展させて、最終的に出てくる電子を分析して、物理原因を解明した。この研究は将来原子・分子内部構造解明に対して、役に立つので、研究結果は物理分野に有名な雑誌Physical Review Lettersに発表された。
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Research Products
(10 results)