2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540402
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日置 幸介 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (30280564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 正人 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (60313045)
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Keywords | 重力 / 陸水 / 雪氷 / 地震 / 氷河の融解 / 地球温暖化 / 土壌水分 / 気候変動 |
Research Abstract |
本年度は、ENSOに伴う重力変化を衛星で捉え、論文発表した。GRACE打ち上げ以後のENSOとしては2005年秋から2006年春にかけて弱いLa Ninaが、その一年後2005年秋から2006年春にかけては逆にE1 Ninoが発生した(2002-2003のE1 Ninoは弱いのでここでは扱わなかった)。筆者らは、海上での車力異常は継続時間が短く一ヶ月の時間分解能しかない現在のGRACEデータでの検出は困難と考え、熱帯太平洋から離れでテレコネクション(遠隔相関)による降雨異常に注目した。Ropelewski & Halpert「1987」によるとE1 NinoとLa Nina期には熱帯東アフリカでは多雨と旱魃がそれぞれ発生する確率が高い。一方南米北部では正反対の現象が起こる。GRACEによると2006, 2007年始めの重力値は平年の季節変化曲線から有意なずれを示しており、E1 Nino/La Ninaの影響である可能性が高い。我々は、これらのデータを軸に適切な解釈を添えて平成20年度に一流専門誌Earth Planet. Sci. Lett.に投稿し、掲載された。 これらの地球の重力変化の研究とは独立に、火星における北極や南極の二酸化炭の氷の消長による重力変化と地形高度の変化から、火星の二酸化炭素の積雪の圧密過程を明らかにした。この成果は惑星科学の専門雑誌Icarusに受理されて、現在印刷待ちである。
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Research Products
(9 results)