2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540402
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日置 幸介 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (30280564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 正人 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (60313045)
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Keywords | 重力変化 / エルニーニョ / 地球温暖化 / スマトラ地震 / 寿力衛星 / 氷河融解 / ヒマラヤ山脈 |
Research Abstract |
GRACE衛星の最新データを解析センターから取得し、2002-2009の期間の山岳氷河や大陸氷床の地域の重力変化を求めた。これまでにアラスカ、南米パタゴニアの二地域で、山岳氷河の融解による重力の経年減少が報告されている。我々はそれらの中間の規模を持つアジア高地の山岳氷河に注目し、その地域の重力減少から融解量を拘束した。チベット高原を中心とするアジア高地はインドプレートとユーラシアプレートの衝突によって急速な隆起が見られる。またチベット高原にはかつて大規模な氷床があった可能性があり、その後氷期回復による地殻の隆起が現在進行している可能性も高い。アジア高地域におけるGPS局の速度データを取得し、これら隆起速度を拘束した上で、それらがもたらす重力変化を氷河の融解による重力変化への補正として用いた。その結果ヒマラヤをはじめとするアジア高山域の氷河の融解量は年間およそ46億トンと推定される。IPCCの報告書でヒマラヤの氷河が数十年で消滅するような記述があり、その信ぴょう性が問題視されたが、本研究で得られた値はアジアの氷河の融解速度を始めて定量的に求めたものであり、我々が発表した論文は新聞(毎日新聞2010/2/6)や雑誌の記事(Nature Report 2010/March)等の場で様々な反響を呼んだ。
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Research Products
(10 results)