2009 Fiscal Year Annual Research Report
大量画像処理によるCSFD法とDL法を発展させた月微小地質区分の年代推定法研究
Project/Area Number |
20540416
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
春山 純一 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (40373443)
|
Keywords | 月 / 衛星 / 小惑星 |
Research Abstract |
月探査機SELENE(かぐや)データを利用して、月面の多くの領域について、CSFD法により年代を決定し、地形学地質学的な特徴と合わせて、論じられた。これまでに得られた成果は、以下の通りである:(1)月面上の20kmサイズクレータで最も若いとされてきたジョルダノブルーノクレータにおいて年代決定を行い、その形成は、数千万年前に遡ることを示した。この結果は、20kmサイズのクレータの形成としては、これまでの従来のCSFD法から推定される生成頻度としては特に異常ではないことを示すものであり、CSFD法の適用可能性を考える上では重要な結果である。この研究結果は、雑誌Met.and Plane.Sci.に掲載された。(2)かつての火山活動の履歴を多数残すマリウスヒルにおいて、CSFD法を適用し、一部、二段階の時期にかけての溶岩噴出が確認されることを示した。この二段階の溶岩被覆は、マリウスヒルにおいて縦孔が見つかったその地下領域に溶岩チューブが保持された可能性を支持するものとして注目される。本研究結果は、雑誌GRLに掲載された。(3)月の裏のモスクワの海において地質区分領域毎に、噴出量の年代毎の差異を論じ溶岩噴出史の再構築がなされた。研究結果は、地殻の層厚との関係もふまえて議論され、雑誌GRL誌に掲載された。(4)これまでの年代決定領域を、更に拡大し、月の裏側の北半球の海領域における年代決定を試みた。この結果、この領域には、39億年前から26億年前にいたる火山活動が確認されることが分かった。成果は、雑誌Earth Planets Spaceにおいて掲載予定(in press)である。年代調査領域は、上記発表済みの結果にかかわる数カ所以外にも進めている。なお、ドイツより、この分野の第一人者であるノイカム博士を招聘し、以上の研究の多くについてレビューいただいた。
|
Research Products
(13 results)